『にわか』 ~ファンの指標って?~
に わ か
「にわかファン」、「にわかオタ」…
こんな風に言われてしまう問題は、ラブライブ界隈に限らず、どのコンテンツでもあるのではないでしょうか。
日本人は特に初心者や“にわか”に厳しいところがあり、にわか扱いされるのを恐れて好きなものをなかなか好きと言えない節があります。
同じコンテンツを好きであるならば、新参者かどうかなど関係ないはずなのに、なぜしばしば『にわか』と言ったり言われたりしてしまうのか。
それはファンである一人一人の考えている
『ファンである指標』
に違いがあるからだと考えます。
自分ではにわかと思ってないのに、にわかと言われたりするのは、この“ファンであるための指標”の価値観に相違があるからなんですね。
「いやいや、好きなら無条件でファン。指標なんてないでしょ」
という方、多いと思われます。
それもそれでひとつの価値観。
ならばにわかと叩く人にも、その人なりのファンとしての価値観があるはずです。
さて、それでは今回は
- ファンの指標(価値観)の種類
- なぜ“にわか”と叩く人がいるのか?
を、考えていきましょう。
◎ファンの指標
一言に『ファン』と言っても、その捉え方は人それぞれ。何をもって『ファン』と言うのかは、その人のファンの指標によって違ってきます。
ここではそのファンの指標の考え方にどれだけの種類があるのかを考えていきます。
①歴こそファンの指標
一番最初に挙げただけあって、これが一番多いような気がします。歴、つまりそのコンテンツを好きである期間のことですね。
「まだファンになってから1年経ってないよ」
という人に“にわか”と言ってしまう人は、この『好きになってからどれだけの時間が経ったか』に重きを置いていると考えられます。
ラブライブ界隈での話をするのであれば
「サンシャインからファンになった」
という人に対して“にわか”と言う人のことでしょう。
②知識量こそファンの指標
知識量とひと言でいっても、様々な意味があります。
「そのコンテンツについてどれだけのことを知っているか」の他にも、「そのコンテンツに関連する雑誌やラジオを、どれだけ読んだり聞いたりしているか」も、この知識量の枠の中の話です。
ラブライブは今やアニメやライブという主な企画の他にも、様々な雑誌でのインタビュー記事の掲載、ラジオ配信、テレビ出演も果たしています。
これらをどれだけ追っかけられているか。それに重きを置いている人のファンとしての価値観は、まさに知識量であると言えるでしょう。
「アニメとかはちゃんと見てるけど、ラジオまでは…」
という人に対して“にわか”という人は、ファンの指標=知識量と考えていると思われます。
③貢献力こそファンの指標
オタク的な言い方をすれば
『どれだけ推しに貢いでいるか』ですね。
ラブライブを初めとした、2.5次元ライブを行っているコンテンツは、世間からの注目もあって、様々なメディアで特集されます。最近はアニメ雑誌ではない雑誌でのインタビュー記事も珍しくありません。
それだけではなく、公式からもCDやグッズは普通に出ますし、ライブも行ったりするとなるととんでもない出費になります。
そうした様々な出費を
『ファンとして当たり前の出費』として考え、出来うる限り全てを買って貢いでいくべきだと考える人は、この価値観をお持ちでしょう。
学生の方とかは特に、こうも様々な箇所からグッズや雑誌を出されると、追いたくても追えないのが現実だと思います。
こうした価値観を持った人と対面した時、すこし情けなさを感じてしまったり、悔しい思いをした方は多いのではないでしょうか?
(そもそも感じる必要ないんですけどね…)
さて、“にわか”と言われた人が嫌な気持ちになることはみんな分かっているはず。なのにどうして言ってしまう人がいるのか。
『ファン』という言葉自体の捉え方の種類を見たところで、次は『なぜ“にわか”と言う人が出てくるのか』を考えてみましょう。
◎なぜ“にわか”を叩くのか?
どんなに熱心なファンも、最初は誰しも“新参者”です。それなのになぜ叩く人が出てきてしまうのか。
先程3つ挙げた『ファンの指標』
歴・知識量・貢献力
これらを極めている人について考えてみましょう。
まず歴を極めている人。
その人はそのコンテンツをずっと昔から愛し、場合によっては人気になる遥か前から好きだった人もいるでしょう。
知識量を極めている人。
その人はそのコンテンツに関する情報の殆どを熟知し、ラジオ配信や雑誌掲載があればすぐに飛びつき、そのコンテンツを常に知ろうと努力しています。
貢献力を極めている人。
コンテンツを提供している運営から出るものほぼ全てを買い、ライブを当てるために何枚も応募券を積み、そしてそのためのお金を稼ぐために必死に働いているでしょう。
お分かりでしょうか。みんな、そのコンテンツに対する愛は並大抵のものではなく、そして並ならぬ努力をしているのです。
ズバリ、“にわか”を叩いてしまう原因はここにあると思われます。
「自分がこんなに努力してコンテンツを追いかけているのに、生半可に“好き”と言っている人と、『同じファン』として扱われる」
こう感じて、納得できない人は多からずいるのではないでしょうか。
歴:昔から好きだった自分と違って、流行ってるからって群がってきた新規層が許せない。
知識量:コンテンツに関して全く知識もないくせに、ファンを名乗るのが許せない。
貢献力:中途半端にコンテンツを追いかけているくせに、自分と同じ枠内で扱われることが許せない。
努力しているのに、大して努力してないように見える人と同じ扱いをされたら、悔しくなるのは当然です。
気持ちはわかりますが、決して正しい訳ではありません。歴にしても知識量にしても、貢献力にしても。ファン一人ひとりそれぞれの追いかけ方があり、そのコンテンツの愛し方があるからです。ファンの数だけ、“好き”のかたちがあるのです。
◎にわかと言われた!
にわかと言われた、もしくは言われたことがある方へ。
まず一言。気にしないでください。
先程も言った通り、ファンの数だけ“好き”の形があります。ですから、自分の“好き”の形に自信を持ってください。
まだ歴が浅くても。
知識がなくても。
あまり貢献出来ていなくても。
あなたは立派なファンの1人です。
そのコンテンツを好きであることに自信を持っていれば、周りになんと言われようとそんなに気にならなくなるはずです。
“にわか”と言ったことのある、もしくは思ったことのある方へ。
あなたはそのコンテンツを極めたという自身を持ち、それほどコンテンツを愛しているのでしょう。すごく立派なことです。
新規勢が入ってきて、古参勢が楽しんでいたところを我が物顔で闊歩されて、悔しい思いをする気持ちもすごく分かります。
ですがその新規勢は、そのコンテンツの次世代を担う貴重な人材です。あなたが好きなそのコンテンツも、その新規勢が増えることでさらに活性化することでしょう。
あなた方が愛してやまないそのコンテンツと同じように、大切にしてあげてください。
このブログを読んだことで、にわかと叩いてしまう人、叩かれる人。お互いの気持ちの理解に少しでも繋がれば、嬉しく思います。
ではではー_(:З」∠)_